大隅税務署長インタビュー

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一般の人には中々なじみの無い税務署の署長さんという職業。今回は確定申告に合わせた税特集という機会を頂き、大隅税務署 毎床署長にお話を伺った。そこには24時間、公人として意識を持ち続けるという強い責任感があった。


━━シシガーデンは若い方がたくさん視聴しています。子どもたちや若者に向けて、税金がどういうところに役立っているのか、なぜ税金を納めるのか、教えていただけますか?

  • 「色々な公共の事業、国民のみなさんが生活しやすい環境を税金が作っています。そういった環境を整備し、運営していくために、国民は税金を納める義務があるのですが、これを説明するのにちょうどよい言葉があります。この間、購入したものなのですが、こちらを御覧ください。正しく税を納めること、それが日本の未来に役立っていきますよ、と非常に的確な表現がなされていると思います。」

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━━子どもたち向けにはどのような活動をされているのですか?

  • 「小中高校生のみなさんには、学校に赴き、租税教室を開催しています。どういうふうに税金が使われているのか、こういうことだから税金を納めなくてはいけないよ、と身近に感じられるものに例えて説明した上で、啓蒙活動の標語、作文、書道などを募集しています。そして、優秀な作品には、国税庁長官賞、国税局長賞、税務署長賞として表彰しています。この過程で、子どもたちが少しずつ税の仕組みを勉強して、税金を納めることが大切だと実感して頂ければと思っています。税に興味を持ってもらうところから始まって、最終的には適正公平な課税につながっていくのではないでしょうか。」

━━確定申告の時期が近づいてきていますが、税務署からみて確定申告、こんなことに注意してほしい、ということを教えてください。

  • 「確定申告は、本来、自分で記載作成して、納める税金が発生したら、納税して頂くということなのですが、年に一回の確定申告ということもあり、お分かりにならない点があれば、税務署にお越し頂き、私たち職員が申告書作成のお手伝いいたします。確定申告は、正しく申告して、納税して頂きたいというのがモットーです。特に、この時期は、たくさんの納税者の方がお見えになり、対応にも時間がかかるので、期間内に確実に納税者の方に申告して頂くということに一番気を配っています。
  • なお、ご自宅にインターネットができる環境をお持ちの方は、国税庁ホームページの確定申告書等作成コーナーを利用して、申告書を作成されると大変便利になっております。作成した申告書は、e-Taxで送信して頂くか、印刷して郵送等で税務署へ提出頂けます。」

━━確定申告は「税を納める」義務のある方の期間だということですね。

  • 「はい、そうですね。ただし、気をつけて頂きたいのは、国税が発生しなくても、住民税を払わなくてはいけないという方もいらっしゃいます。その場合は、市役所に申告して頂く必要がありますので、お気つけください。」

━━普段の署長としてのお仕事内容を教えて頂けますか?

  • 「署長というのは現場の指揮官、最高責任者です。が、署長一人が張り切っていても、部下職員がついてこなければ、絵に描いた餅、そうならないように気をつけています。職場の環境醸成、風通しの良い明るい職場にしないと色々な仕事の詳細報告が入ってきませんし、署長が蚊帳の外では、署の運営ができません。それと同時に、大隅税務署の実情に応じた事務運営をやっていかなければならない。ここは大隅地区であり、東京の税務署とは違いますから、郷に入れば郷に従え、大隅管内に合った税務署の運営を心がけているところです。また、若手職員の育成、まだまだ経験が足りない方に経験者が少しずつ教えていくということも大切にしています。」

━━大隅地域の印象はいかがですか?

  • 「赴任前、次は大隅税務署だよと言われてインターネットでの情報を見て、合同庁舎に入っていて、建物も道路もそれなりにあるところだなと思っていたのですが、来てみたら商店が閉まっているところもあり、やはり田舎でした(笑)。前の職場が東京の新宿税務署という、もうビルもたくさんあって、飲み屋も一杯あるところでしたから、特にそのギャップが大きかったです。住み始めると、宿舎と署の行き帰りや道路を歩いている時に、おじいさん、おばあさんが挨拶してくれます。おはようございます、こんにちは、ああ、いいところだなと思いますし、過ごしているうちに静かで環境の良いところだなと感じてきました。と同時に、法人会、税理士会、間税会などの協力団体が非常に馴染みやすく、良い方たちばかり、本音を話し合える方たちばかりです。よく各団体の会合に行って、署長挨拶をするのですが、最初の一回だけは堅い挨拶をします、二回目以降はこんな堅い話はしません、と切り出していますよ。税務署が地域に融け合う関係があるところ、良いところに赴任させて頂いたと感じています。」

━━大隅地域の発展の可能性、課題は?

  • 「曽於市、志布志市、大崎町ともに少子高齢化、非常に人口が減少しています。それをどのように打開するか、やはり企業、産業が発展しないといけません。例えば、地元から東京や大阪に出て行っている若い方から見て魅力がないと地元にはなかなか帰って来ないでしょう。若い方が帰ってきて、定住する、子どもも増えてくる、そうすることでまちも活性化していくという形を思っており、法人会等の協力団体の方ともどういう風にすればまちが発展するか、税務に関する勉強、研究をしながら、これらについても検討しています。そのような中で、今回シシガーデンという地元の発展を考えての取組を知り、我々税務の立場からも少しでもご協力できればよいなと考えています。」

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「私にとっての志は"なにも無い"ということ」

━━署長にとっての志とは何でしょうか?

  • 「過去に副署長はやったことがあったのですが、署長というのはここ大隅税務署で初めて経験しているところです。大隅税務署はわずか20名ほどの職員しかおりませんが、その中で署長は一人だけですから、署長としての覚悟と立場をわきまえて、部下職員の指導や署の運営をやっていく。私にとっての志といえば、署長としての立場を全うすること。公務員としては、「なにもない」ということです。問題なくスムーズに運営されているというのが第一で、私たち公務員は24時間公務員なんですよ。夜帰って晩酌する時も、どこかに旅行している時も常に公務員ですので、事故には気をつけなければいけない、問題を起こしてはいけない、という社会的立場を日々強く意識しています。どこにいるときも、どんなときも私は署長なんだという自覚、責任と覚悟を持って過ごしています。」

━━いつ頃そのように公務員としての覚悟を意識されましたか?

  • 「やはり上に立つようになってからですね。管理職になって部下職員を持ってからでしょうか。それまでは自分の上司がいましたが、管理職としては自分の部下の行動に責任を持たなければなりません。部下が仕事外であっても何か問題を起こした場合は自分に責任が発生します。さらに署長になれば、職員全員を見なくてはならないというまさに最高責任者。細かいところは任せていますが、一大事が起きたり、大きな案件に対応したりする場合には必ず署長が判断しなければなりません。」

━━男としては大きな責任を持てるというのは喜びですね。

  • 「そうですね。ただ、喜びがいつ出てくるのか、私は辞めた後によく達成できたなと実感できるのかなと想像しています。後で振り返って、大隅税務署の署長としての責務をよく果たせたなと思えるように、今のことに精一杯あたりたいと考えています。」



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大隅税務署長 毎床正光(まいとこまさみつ)
熊本県出身
平成26年7月、熊本国税局 大隅税務署長に赴任
(東京国税局 新宿税務署より)